ハリーポッターを誘致し、USJをV字回復に導いた森岡毅の戦略をその書籍から読み解く!

      2014/11/06


 

ユニバーサルスタジオジャパンがV字回復を

成し遂げたということをご存知の方も多いのでは

ないでしょうか?

 

USJ

 

実はV字回復に導いた仕掛け人が存在しています。。。

 

 

 

 

今回はUSJの大逆転戦略の全様と

これからの姿を2014年2月に発売された

「USJのジェットコースターは何故

後ろ向きに走ったのか?」から読み解いて

いきましょう。

 

この書籍を読んで、まず私は驚愕しました。

この書籍に書かれていたUSJの戦略から

学ぶことは非常に多いです。

 

私のように直接マーケティングにはかかわって

いないものでも気づかされることがたくさん

書かれていました。

 

ちなみに、この書籍を書いたのは、今回の

USJV字回復の仕掛け人本人であるUSJの

CMO(チーフマーケティングオフィサー)の

森岡毅氏です。

 

まずは、簡単に森岡氏のことを紹介します。

その後にUSJの戦略について順を追って

説明していきますね^^

 

森岡毅って誰?

 

もりおか・つよし●1972年生まれ。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー・アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイディアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、本部長。

 

 

この経歴を見ると、輝かしい経歴を持っている

やり手マーケターという印象を受けますね。

 

そんな人だから「人の考えを読み」、「世間の

流行を的確にキャッチできるのか!」

思っていましたが、

人の気持ちがまったくわからない

というのは意外にも本人の談。

 

わからないからこそ、何が流行っていて

何が人気なのかということを徹底的に

調査し、自分で体験してみるのだとか。

 

前職の時代には、似合わないということを自分でも

わかっていながら、髪の毛を真っ赤に染めていた

こともあったのだとか。。。

 

この姿勢はUSJに来てからも変わっていないと

思われます。仕事のときだけではなく、休みの日

であっても、入場料を支払ってUSJに入り、お客さん

の視点から自分のパークを見るのだそうですよ・・・。

 

 

USJの成功戦略

 

USJの戦略の一番の肝といえるのは、

圧倒的な選択と集中なのかもしれません。

 

以下インタビューからの抜粋です。

ハリー・ポッターのプロジェクトを押し出しつつ、そこに大きく投資しながらも、わずかな投資で集客を伸ばし続けなければいけない3年間は、非常に厳しい道のりでした。

 

 

ハリーポッターに450億円を投資するために、

3年間をほぼ設備投資なしで乗り切るという

戦略を展開。

 

無論CEOをはじめ、全ての関係者から大反対

を食らったそうですが、ふたを開けてみれば

大成功を収めました。

 

ではほぼ投資なしで3年間の間には何をしたのか?

というと、今あるものを使って何が出来るのかを徹底的

に考え抜いたということになります。

 

これまでにあったアトラクションの再活用や、

ジェットコースターをこれまでと逆に走らせる

など興味深い戦略の数々がありました。

(こちらは長くなってしまうので、書籍を

ごらんください。ごめんなさい。)

 

 

 

間違ったこだわりを捨てさせる

 

もしかしたら、今でもUSJのことを

映画に特化したテーマパーク」という風に

考えている方もいらっしゃるかも知れません。

 

確かにそれは正しかった・・・のですが、

実は今は違います。

 

以下本人のインタビューより。

 

会議で『映画の専門店』という妄想から脱却して、『世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ』にシフトしようと発言した後の重い空気は今でも忘れられません。私という宇宙人に襲撃されて言葉を失った人類、といった構図でした。

 

『USJは映画だけのテーマパークであるべき』『大人向けのテーマパークであるべき』という考え方も、方向性の間違ったこだわりの例でしょう。これらの行為が厄介なのは、悪意がなく、正しい行為と信じられているところ。私たちマーケターの役目は、彼らの努力が徒労に終わらぬよう、消費者価値の向上に正しくシフトさせることなのです。

 

自分の組織の常識を変えさせるためには、

外からの刺激が一番だということは、

きっと森岡氏が一番よくわかっていたのでは

ないでしょうか?

 

だからこそ、この役目を買って出たのではないでしょうか?

「自分たちがこれから成長を続けていくためには間違った

考えから脱却しなければいけない!」この言葉は胸に

響きました。

 

 

そしてこちらは書籍より、

 

映画が大好きで大好きで、USJにも何度も行きたくなる・・・。もしそんな私のような映画ラブな消費者が「十分な人数」マーケットに存在するのであれば「映画だけ」のパークも戦略の一つのオプションとなります。

 

しかし、実際の世の中はそうはなっていないんですね。
(中略)
私は「映画だけ」にこだわるブランド戦略は、不要であり、かつ非効率であると判断しました。世界最高のエンターテインメントは映画だけではありません。
(中略)
映画はすばらしい感動をくれますが、すばらしく感動するのは映画だけではないのです。

 

そこで私は、映画というフォーマットにこだわってブランドを作るのではなく、エンターテイメントの原点である「感動」にこだわってブランドを作りたいと考えたのです。
このパークを、「映画の専門店」ではなく、映画も含めて「最高の感動を届けるブランドを世界中から集めたセレクトショップ」にしたいと考えるようになりました。

 

「映画のテーマパーク」では、収益を確保するのに

十分なマーケットではないという判断をした森岡氏は

映画の専門店からの脱却を図ります。

 

このときに周囲になんと言われたのかということは、

ここであらためて語る必要はないでしょう。人間は

基本的に現状を変えることを嫌がる生き物ですから・・・。

 

「感動を届けるブランドのセレクトショップ」という新しい

戦略の元、人気ゲームのモンスターハンターとのコラボ、

これまで園内でひっそりと行われていたワンピースの

ショーを大々的に展開していったのです。

 

そして、今後は人気漫画「進撃の巨人」や

人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボも

予定されているようです。こちらがどうなるのか

というの楽しみです。

 

確かに「映画の専門店」と思っている人からすると

USJは迷走しているのでは?と思われることも

あったようですが、新しい戦略に基づいて

着実に歩みを進めているというのが私の

印象です。

 

 

何故ハリーポッターを誘致したのか?

 

では「何故ハリーポッターを誘致したのか?」が

気になる方も多いのではないでしょうか?

 

どうして450億円を投資してまでハリーポッターに

こだわったのか?その答えも書籍の中にありました。

 

すぐに経年劣化してしまう中途半端な映画ブランド10個に毎年45億円ずつ投資するよりは、数年に一度、絶対に人気の衰えない強力なブランドに450億円投資したほうがよほど効率的です。私自身、USJに携わる前からのハリー・ポッターファンで、家にはシリーズすべての本とDVDがあります。そのため、マーケターとしてだけでなく、1ファンの感覚値としてもブランド力には自信がありました。このレベルのブランドを使って集客施設を作れるチャンスは二度とない。

 

また、映画館でハリー・ポッターシリーズを観た人は累計約7800万人。これは、『インディ・ジョーンズ』も『スター・ウォーズ』も、ジブリ作品でさえもかなわない圧倒的な数字だ。

 

ハリーポッターシリーズの圧倒的なブランド力

そして、そのブランドを使って集客するための

アトラクションが作れるという条件がそろった

からこそチャレンジを決めたと語っています。

 

40億で寿命が短いアトラクションを10個作るよりも

強力なブランドに投資を集中させるという戦略には

うなずけますが、リスクや反対も大きかったと思います。

 

圧倒的な話題性を持ち、長続きする大きなものに

一点集中で投資をしたほうが絶対に効率がいい!

というのがわかっていても、それに踏み切ることが

出来た森岡氏はじめ、USJはさすがだといわざるを

得ないのではないでしょうか?

 

ちなみに、アメリカにあるユニバーサルスタジオ

オーランドにできたハリーポッターのエリアの成功

を見てから、日本への誘致を決めたと勘違いされがち

ですが、実は違っています。

 

まだオープンしたばかりのオーランドのハリーポッターを見て

日本につれてくることを決意したのだそうです。

これの質を上げたものを日本に持ってくることが

できれば

 

そしてそのために必要な投資金額を算出し、

それまでの3年間をほぼ投資なしで乗り切った

のです。(長くなるので詳細は書籍をご覧ください。)

 

ですので、これまでの3年間の間の

戦略が外れていたら、USJにハリーポッターが

こないどころか、倒産していた可能性もあったくらい

の大きな賭けだったとも書籍の中で語っています。

 

 

 

成長のための3段ロケット!

 

もちろんUSJの成長はハリーポッターで

終わりというわけではありません。

 

将来の戦略をこのように語っています。

 

1段目のロケットは、テーマパーク事業の最大のボリュームゾーンでありながら、USJの長年の弱点だった「家族連れ顧客(ファミリー)」を取り込むこと。

そこから生み出したキャッシュをテコにして打ち上げる2段目のロケットは、遠方からゲストを集客できる「ものすごい何か」を作ってかん再依存の集客構造から脱却すること。

そして更に大きなキャッシュをテコにしてより高く打ち上げる3段目のロケットは、科学的経営管理法に基づいてパークを効率的に運営するこの会社のノウハウを複数の場所に展開して、会社を大きく飛躍させていくこと。

 

さすがに書籍でも詳細は語られていませんでした。

ですが、数年のうちにまた私たちを驚かせてくれる

ような何かを準備しているのではないかと私は

わくわくしているファンの一人です。

 

 

 

人事を尽くして天命を待つ

 

こちらはUSJの戦略の本筋とは外れるかも

知れませんが、書籍を読んで私が感じている

ことです。

 

書籍やインタビューの中でも本人が語っている

ことですが、森岡氏は絶えずUSJのことを考えて

いたといいます。

 

すると、夢の中に「反対向きに走るジェットコースター」

が出てきたり、さまざまな事業のアイデアが出てきたといい

ます。

 

これもまた有名な話ですが、ソフトバンクの孫社長や、

京セラの稲盛会長も、仮に現時点では出来ないことだと

わかっていたとしても、まず「出来ます!」と答えてから

その期限までにどうすれば出来るのかを考え抜くと

インタビューや書籍の中で語っていました。

 

自分を追い込んではじめて、出来ないこともできるように

なるのかもしれないな・・・。ということをこの本を読んで

考えさせられました・・・。

 

 

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